
関節班では、コンピューター支援技術を積極的に活用し、安全性が高く、低侵襲かつ高精度な人工股関節置換術や人工膝関節置換術を実施しています。特に、当院独自に開発した拡張現実(Augmented Reality, AR)技術を取り入れたナビゲーションシステムを導入することで、より正確な手術を実現しています。この技術により、血管や筋肉を詳細に描出することが可能となり、さらなる安全性の向上に貢献しています。また、ロボット支援手術も取り入れており、これら最先端のデジタル技術によって、精密で個別化された医療を提供し、患者さまの満足度向上を目指しています。
変形性関節症や関節リウマチ、骨壊死などにより関節の疼痛や機能障害が高度となり、保存療法で十分な改善が得られない症例を適応として行っています。障害された関節を人工材料に置換することで、疼痛の軽減、可動域の改善、ならびに日常生活動作の回復が期待されます。股関節や膝関節に加え、肩関節、肘関節、足関節など幅広い関節に対して施行しています。特に股関節および膝関節では、術前計画に基づくインプラント選択と正確な設置が長期成績に重要であるため、ナビゲーションやロボットなどの手術支援技術を活用し、精密かつ個別化された治療を行っています。

変形性股関節症に対する人工股関節置換術

変形性膝関節症に対する人工膝関節置換術

ARナビゲーションを用いることで、人工股関節の正確な設置が可能となり、
さらに筋肉や血管を可視化することで、安全性の高い手術が実現します。

さらに、ロボット支援技術も取り入れることで、
より正確で患者満足度の高い手術を目指しています
骨切り術は、寛骨臼形成不全を伴う変形性股関節症や変形性膝関節症、外傷後変形などにより、疼痛や機能障害を認める症例に対して行っています。骨を適切な角度で切り、関節の被覆やアライメントを矯正することで関節への負担を軽減し、疼痛の改善と関節機能の温存を図ることを目的としています。特に若年者や活動性の高い患者において、人工関節置換術を回避または延期する治療選択肢として重要です。当院では、股関節疾患に対して寛骨臼回転骨切り術を、膝関節疾患に対して高位脛骨骨切り術を主に行っており、術前に画像を用いて状態を詳しく評価し、患者ごとに適した治療を行っています。

寛骨臼形成不全に対する低侵襲寛骨臼回転骨切り術(SPO)

変形性膝関節症に対する高位脛骨骨切り術(HTO)
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臨床研究においては人工股関節置換術や人工膝関節置換術をはじめとする各種人工関節置換術の手術成績を評価するとともに、術後機能回復や合併症の発生状況なども解析しています。さらに、これらの成績に影響を及ぼす術前因子や手術手技、インプラントの選択、術後経過との関連についても検討を行い、より安全で有効な治療戦略の確立を目指しています。
基礎研究においては、変形性関節症の病態解明、関節軟骨の修復・変性抑制などに加え、基礎系や工学系の先生方とも密接に連携し、整形外科分野における新規材料の開発やその評価など幅広いテーマに取り組むことで、次世代医療技術の創出に努めています。最新技術と研究成果を通じて、患者さま一人ひとりに最適な治療を提供してまいります。